予備山行(トレーニング&下見) 飯豊山

 取付き付近の紅葉ももう終わりが近い 笹平の下から雪を踏む 
   
 剣ヶ峰〜三国岳〜七森 中途半端な雪がある剣ヶ峰 
   
 三国小屋からの大日岳  切合小屋近くからの大日岳
   
 ホース発見! ラッキーです 切合小屋に着きました
   
 鴨汁も煮えました しみけんさんとNRT 
   
 草履塚から本山 本山小屋に着きました 
   
強風の本山から烏帽子岳   御西岳 大日岳
   
強風の本山標柱 駐車場に下山しました 
   


個人山行 
日 時      平成22年10月23日(土)〜24日(日)
参加者     しみけんさん・Konchang(小国山岳会) OCG(田中)さん・LTQ(下越山岳会)=本隊
       NEN(石井)さん・NTR(中村)さん・金井さん

      

行き先     飯豊山(所謂、本山 2,105.1m)
天 候      13日(土)晴れ時々曇り(黄砂あり)
       14日(日)曇り
目 的     会山行(正月合宿)予備山行(調査&レーニング)
装 備     冬山避難小屋泊まり
特 記   剣ヶ峰の通過に際し、一応ハーネスか安全ベルト+ガチャ少しを各自用意し、ロープ・ハンマー・ピトンを用意した。
ナビ用品:GPS・地図・シルバコンパス・マップポインター
防寒具: フリース・ダウン(薄手 上下)・テントシューズ
シュラフ:3シーズン用
宿 泊   避難小屋(切合小屋泊まり)


GPSデータ
TP積算距離 23.1KM


 時刻                      事柄など

11月13日(土)
05:30  集合場所、集合出発       Konchangも新発田廻りで同行
07:40  御沢キャンプ場駐車場到着   しみけんさんも同時到着
08:03  御沢出発(540m)         個人的な荷揚げ品、ロープ・ハンマー・ピトン少々があり荷物重っ >_<
08:53  下十五里(815m)
09:18  中十五里(925m)
09:38  上十五里(1,075m)
10:14  笹平(1,232m)           少し下から雪を踏む
11:10  峰秀水(1,380m)
11:30  トラバース終わり尾根に乗る (1,440m)
12:38  三国小屋(1,640m)着       蔵王レピーターをお借りしてkenrokuさんを呼ぶが交信は出来なかった。(ボクの波は取れていたとのこと。)

13:08  三国小屋発
15:06  種蒔山(1,791m)         七森の途中からワカン装着
15:30  水場                 水場のホースを探す。諦めかけた時発見。ラッキーだ
15:56  切合小屋(1,745m)着
16:30  乾杯                 小屋は我々だけなのでノンビリ飲る。


11月14日(日)
05:30  起床                 大幅に寝坊   <(_ _)>
06:42  切合小屋発             大幅に寝坊した割に40分遅れで出発。かなり時間の余裕を持たせた登りなので帳尻は合うだろう。
07:16  草履塚(1,908m)
07:56  御前坂(1,920m)          風が強まる
08:25  一王子(2,065m)          ヨロヨロしながら漸くケルンの陰に入る ザラメの雪が飛んでくる
08:39  本山小屋着(2,102m)       小屋の陰で食事後本山へ  かなりの風だ
09:02  本山着(2,105.1m)         強風の三角点からは大日岳・御西岳そして北部稜線につながる絶景が広がる
09:09  本山発

09:18   本山小屋着(2,102m)       さて、名残おしいが下山
09:32  本山小屋発

09:50  御前坂(1,920m)         よろめきながらの下山
10:27  草履塚(1,908m)         
10:50  切合小屋(1,745m)着      さ〜て 後片づけ&食事
11:54  切合小屋(1,745m)発      
12:16  種蒔山(1,791m)         ここまで降りると暑く感じる
13:12  三国小屋(1,640m)着      
13:30  三国小屋発            剣ヶ峰の状態は北面に雪が残るものの南側は大分融けているようだ。
14:36  峰秀水(1,380m)         ここから傾斜も緩み高度が下がらない区間
15:00  笹平(1,232m)
15:15  上十五里(1,075m)
15:39  中十五里(925m)
15:48  下十五里(815m)
16:11  登山口(570m)
16:21  御沢キャンプ場駐車場到着(540m)  ほぼ、計画書どおりの時間。帳尻だけは合いました(笑
16:57  いいでの湯
19:30  集合場所解散



概要

当会(ボクの所属する下越山岳会)では例年正月時期に飯豊連峰のどこかに、正月合宿として行っている。
5年前に山都町(当時)の川入から御沢〜松ノ木尾根〜三国岳を経て飯豊山(通称本山)を目指した。
結果的にその山行では、大雪と強風で草履塚で追い返された。
それ以降は、ここのところ西俣ノ峰を経由して頼母木山〜北股岳狙いの山行計画が続いている。
しかし、結果を出すに至っていない。
準備を尽くして力もあるパーティーであっても天気の運に恵まれない限り北部稜線は人間の立入を拒む。

南部稜線からのアプローチである喜多方市川入(旧山都町)からの冬期入山は、「いいでの湯」を通り過ぎ、
藤巻への分岐から川入集落に至る道路は除雪されず歩きとなる公算が大というか通常はそうなので、雪の降り方にも
よるだろうが取付きまで1日を見込むのが保守的な考え方。

そんなこんなで日程が長くなるので敬遠されてしまう。
しかし、手軽さがない遠い冬山にはそれなりの魅力を感じる。
そして、日本海からの距離があるので頼母木山周辺の爆風よりは少しだけ条件が良いかもしれない。

5年振りの期待と結果を出したい。そういう功名心ではないけれど、年齢的にはこういう体力勝負のルートはそうそういつまでも続けることは
困難であるので、挑戦できる時に挑戦すべきと思う。
そんなこんなの思いがあり大分気合いも乗ってきました。

今回は、予備山行ということで本隊メンバーと当会3名を加えた7名で、本山のルートと冬の状況をイメージするために計画した。
ただし、本番では松ノ木尾根を経て三国小屋に入るが藪山であり、川入集落から御沢を経て三国岳に至る一般道を利用する。

今回の山行で問題となるのは剣ヶ峰の通過でありこの点は、ずっと気になっていた。それ以外は、それほど問題になる場所もなく
偵察・イメージトレーニングが出来ると計画した。


記録

13日(土)
比較的暖かい朝、川入に向かう。Konchangも新発田経由で川入に向かうのだが、小国と川入というのは、直線距離であれば近いのだが、道路距離は
なかなかの距離である。

御沢キャンプ場のPに着くが誰も居ない。当たり前か・・・・
共同装備品を分けて出発。個人的に上げる荷揚げ品が3キロ、その他共同装備のロープ・ハンマー・ピトン・スリング類で3キロ
ピッケル・ワカン・ストックに水1,000mlをザックに括りつける。
確かこれらを除いて、17キロだっか?そうなると、25キロ位かな・・・
20キロを越えるのは久しぶり。やはりコタエル。夏場に尾根を歩き込んでいないツケを払うことになるのがこの時期だ。
汗がしたたり落ちる。11月半ばであるが半そでのシャツで大汗をかいている。
本番ではザックを17キロ程度に抑えるように考えている。それでも、最近の大型ザックは様々なループがついているので、ザックの自重もあるので
軽量化は難しい。

軽量化を図るために、少し今回も上げたワケです。
さて、笹平の下から雪を踏むようになる。
高度が徐々にあがる。晴れているものの、空はボンヤリとしている。黄砂が観測されているそうな。
この時期の黄砂は珍しい。でも折角の新雪が汚れてしまっている。

落ち葉が滑る歩きにくい登山道を何か、荷役の家畜が歩くように鈍重な歩みを進める。荷物が重い時はユックリ歩く以外他に方法はない。
歩き続けることができるスピードで歩く。その範囲を超えるとバテがでる。

葉が随分落ちたので視界が良く効く。タカツコ沢の岩肌に薄ら雪が乗った風景を楽しみながら、剣ヶ峰の様子を窺う。
気温が高いもののシャクシャクの雪に剣ヶ峰の妙にフリクションの効かない岩肌の採り合わせはスリップしやすい条件が整う。
おまけに、全員重荷を背負っている。

水場で美味しい水で力を得て、剣ヶ峰に向かう。無雪期なら、何も考えずに通過するが中途半端な雪、重荷、冬靴と動きにくい条件が揃っているので
注意しながら登る。
先行するKonchangに悪ければ、ロープを出すからと声を掛けるが雪が柔らかいので大丈夫との返事。下から観る範囲では皆さんの身体の動きに不自然な
感じがないので大丈夫なようだ。

皆さん慎重に登り三国小屋に着いた。蔵王のレピーターをお借りして、福島市のkenrokuさんをコールするが、その甲斐なし。
ところが、翌日メールを観たら、こちらの波は取れていた。とのこと。交信できなかったのは残念。
だけど、三国小屋から波が届くことが判ったのは成果だ。

三国小屋で食事を摂り大日岳の眺めを楽しむ。
ここから、冬期の一つの危険個所の七森に入る。西からの激しい季節風で七森の稜線は偏東積雪により雪食崖形成し大日杉の側の傾斜は
急に落ち込んでいる。
そして、冬期には巨大な雪庇を形成する。飯豊連峰では同じ様に、西俣ノ峰から枯松峰の間も巨大な雪庇を育む。

本隊メンバーは冬期ルートをイメージするために岳樺の位置を観たり細かいライン取りは無理だから、歩きにくいが保守的に西側に逃げて云々等
時折、振り返り、立ち止り意見を交わす。

夏道ならば、種蒔山から直ぐに切合小屋なのだが、疲れのせいか長く感じる。
冬期ルートは稜頂沿いに通過するが、雪が少なく藪なので、そういう事で、登山道のラインまで降りないことを確認する・・・切合、大日杉からのルートが
合わさる付近はホワイトアウトすると地形が判り難いので、稜頂を登降するのが判り易いというが、明瞭な尾根ではないので注意が必要だ。

さて、水場の位置に着いた。
Ryouちゃんの話では、見つければ12月初頭までは使える可能性があるとのこと・・・・
しかし、すっかり雪に埋まってホースは見えない。
う〜ん7人分の水を雪から造るというのは、ガスの消費量も多いし時間がかかり過ぎる。
一生懸命探したがなかなか見つからない。
諦めかけた時ボクが蹴飛ばした雪の下にシャーベット状の雪・・・ビンゴです。
ありました。ホースから水が噴き出しています。有難い。
皆で水を汲み、指呼の間である切合小屋に向かう。

切合小屋の通常の入口は雪で埋まっている。南側にある2階の冬期入口から小屋に入らせて頂く。
夏場なら、直ぐに乾杯出来るが、この時期は先ず、防寒着着込み汗が冷えるのを防ぐのが先決。
暖かい身なりに調整した後、食事の準備をしつつ、乾杯!
うめぇ〜♪

今日のメインは鴨汁
鴨肉と沢山のキノコ・根菜類と白菜とオマケの竹輪、そんでネギでアツアツの鴨汁を皆で食べる。
辛く厳しい山行も充実するが、誰も登って来ない時期にアツアツのご馳走を食べながら山仲間と酒を酌み交わす。
今回初めて合うメンバーも何年来の旧友の様に付き合えるのも、こんな機会、時間を共有するからだろう。
これは、営業小屋でメシを共にするのとは異なり、皆で持ち上げた重い食材を皆で楽しむ所に意義があるのだろうと思う。

NENさんの強烈なツマミの提供もあり酒が進んだ。穏やかな夜は風もなく気持ちよく眠りに着いた・・・・眠り過ぎました。



14日(日)

「おわっ!5時半だ」???
誰か目覚ましを掛けるべ。と横着をしたが、皆、爆睡
4時起床で、6時出発の余裕の余りにある計画をしたせいか、ゆる〜い雰囲気があったのかも知れないですが・・・・
まあ、ここは避難小屋なので、手早くジフィーズ・レトルト&鴨汁とウドンの残りを平らげて
新潟弁で言うところのサンジョッパライでソソクサと準備をして概ね30分遅れで出発した。

風は弱く高曇りでコンディションは良い。草履塚までの歩きは、ほぼ夏道に近い位置を通るが本番では西側の高い位置を歩いた方がよかろう。
理由は
西側が一段高く、風当たりが強いと思われ雪が硬いと考えている。他方夏道付近は雪に締まりがなくラッセルが深くなる可能性がある。
ここには、雪庇が出る可能性があるけれど、ごく小さなもので段差も大きいものではないので、さほど強調して考える必要はなかろう。

草履塚まで上がると風を感じる。
やっぱり吹くんだなぁ〜と思いつつ姥権現に向かい下る。
姥様も雪の中
登り返して、御前坂・・・・来ました〜風

切合の弱風がウソの様に激しい息遣いで吹いている。
バランスを保つの難しい位の強風で平均的には15m位でていたと思う。
時折、強風で煽られて立ち止まる。
夏道よりやや東に寄って雪上を登る。

一王子のケルンの風下に入るとパラダイス〜
僅かの距離である本山小屋までそそくさと進み小屋の風下にザックをデポして本山の三角点に向かう。
ザラメ雪の粒子が風で巻き上げられ顔に当りチクチクと刺激がある。
強風の中、本山三角点に到着。

三角点からは、高曇りの空の下、強風が白い冬山の凛とした雰囲気を感じさせてくれた。
強風で早々に山頂を辞して本山小屋に戻る。本山小屋の陰で休憩して下山とする。

強風は下りのバランスの悪い姿勢に意地悪をする。どんどん下る。
姥権現まで下るとかなり風が弱まる。これが本山の風かぁ〜

草履塚からの下りは登りと少しラインを変えて西側の一段高い部分を下る。この方が方向失い難いハズだ。
切合小屋まで戻り、後片付け&食事を摂り下山の途につく。

種蒔山を越えると、暑さを感じる。汗を拭きながら七森のルートを再度考えながら下山の歩を進める。
三国小屋で一休みして剣ヶ峰を下る。
南から東側の岩は暖まり雪はほとんど融けているが、北側の場所には雪が残る。
当然のことながら下りは、登りより気を使う。
それでも、クランポン・ロープを使わなければならないほどの状況ではないので各自フリーで降りた。
ロープによる確保をしても、間違いではない状況ではある。

まあ、転倒などもなく全員問題無く悪場を通過してあとはどんどん下る。
峰秀水で喉を潤し、上十五里で食事を摂り下る。しみけんさん、Konchangはキノコ探しに鵜の目鷹の目
残念がら、おおきな成果はなかった様だ。ほぼ予定時間(ほんの少し前)に下山した。
しみけんさんは直帰。ボク達は「いいでの湯」で入浴して帰途に着いた。




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